私が関わった個人再生事件で、1度だけ手続廃止(途中でだめになった)になったことがあります。
その依頼者は、東京の三鷹在住で、大手ディスカウントチェーン店でお仕事をしている方でした。仕事が忙しく休みが取れないとのことで、裁判所に出す書類を何度もお願いしていたのですが、ご用意いただくのが難しかったようで、ご依頼をいただいてから裁判所に申立てをするまで相当な時間(確か1年から1年半くらい)がかかったことを覚えています。
何とか書類を整え、裁判所に申立てをして、個人再生委員との面談も行い、手続の開始決定は出されたのですが、個人再生委員から面談の際に追加での書類の提出を求められました。銀行口座の取引明細だったと記憶していますが、それまでのこともあり、書類を提出しなければ手続が認められなくなってしまいますので、面談が終わった後にすぐに対応をしてもらえるようお願いしました。
手続は順調に進行し、再生計画案も提出してOKが出ていて、あとはその書類を待つばかりというところまでいきましたが、しかし、その後、お願いした書類を出してもらうことができず、結局は手続廃止となってしまったのです。電話や書面で何度お願いしても反応がなく、自宅に行っても会えませんでした。
私としては最善を尽くしたつもりですが、悔いが残る思い出です。
このようなケースはまれですが、手続きには依頼者様の協力が必要不可欠です。こちらで代わりに取得できる書類(住民票など)であれば代理取得もしますが、それが認められない書類ではどうしようもありません。廃止となればそれまでの労力、時間、費用がすべて無駄になってしまいますのでご注意を。